遺産分割審判に納得いかない場合

語句説明

【遺産分割審判】とは、
相続人間の話し合いや合意ではなく、

相続人それぞれの主張や提出された資料等を基に
裁判所に遺産分割の内容を決してもらう という手続です。



相続人当事者の一人が審判を望み、
その審判で裁判官(審判官)が分割方法を決定したので、
「自分の意見が反映されていない」と
反論したい場合、


遺産分割審判に対する即時抗告という手段があります。



※ 裁判の判決に対しては「控訴」
  裁判所での審判に対しては「即時抗告」 
  と言葉を分けると理解しやすいです。


即時抗告の流れ

遺産分割審判の即時抗告は、
当事者である相続人の申し立てによって開始されます。

(本人が申し立てすることは自由にできる。代理人になれるのは弁護士。)


前提として、
遺産分割審判が行われたならば、
後日、家庭裁判所から審判書が送られてきています
その審判書には、
遺産分割の内容や、意見の対立があった場合には、
争点に対する判断とその理由等が示されています。

その審判書に対して反論を主張するという のが即時抗告という手続きのイメージです。


その審判が告知された日の翌日から2週間以内
に遺産分割審判の即時抗告を申し立てることが必要となります。

原則 この申し立て可能期間は変更されません。
たった2週間なので、気を付けてください。



即時抗告の申し立てをおこなうためには、
遺産分割審判をおこなった「家庭裁判所」に抗告状を提出する必要があります。

なお抗告状の提出先は原決定をおこなった家庭裁判所ですが、
抗告状に記載する申し立て先は高等裁判所になります。

その意味で、即時抗告は 管轄する高等裁判所 に申し立てる
と法律関係の本では書いてあるようです。



抗告状を提出すると、
しばらくして高等裁判所の担当部から、
即時抗告事件についての連絡があります。


抗告審でも、
追加の主張書面や証拠などを提出して、
最終的に高等裁判所によって決定を出してもらうことになります。


高等裁判所が、
抗告に正当な理由があると判断した場合には、
原審判を取り消し、
高等裁判所が審判に代わる判決を下します。


この高等裁判所の判決にも不服がある場合は、
さらに最高裁判所へ抗告をすることができます。
が、遺産分割の場合、
最高裁判所へ舞台を移したところで、
結果が変わることはほとんど期待できない と多くの弁護士は考えているようです。